「茅ヶ崎市 チャコ農園さん(スイートピー)」

 

手間のかかるスイートピー生産 だからこそ愛情がこもる

2019年。まだ暑い8月下旬に、茅ヶ崎市でスイートピーを栽培されているチャコ農園さんを訪れました。

奥様の寿子さんが、農家を始めたのは、二〇歳の頃。お母様が野菜を育てていたハウスで、スイートピーの栽培を始めました。

チャコ農園さんは、神奈川県のオリジナル品種や普通のスイートピーよりも香りの豊かな品種を、試験栽培の段階から携わり、積極的に生産されていることで注目を集めています。

私が初めて訪問したこの日は、翌年の出荷に向けた花の種を蒔く日でした。

 

 

スイートピーの種は、皮が固いので、1日ほど水に浸けてふやかします。その後は、発芽を促す為に、種を冷蔵庫へ入れて、低温期間を経験させます。

 

発芽したスイートピー

種蒔きでは、発芽した種の中でも、元気なものを選んで、ポットに植えていきます。

 

 

 

 

 

 

9月の末、神奈川県の農家にも、大きな災害をもたらした台風の影響を心配しながら、チャコ農園さんを訪れると、ハウスへ植え変えられた苗たちは、元気に育っていました。

「台風の晩に、ハウスが浸水してしまっているところを、たしかに見たのだけど…」と、ご主人の武基さん。どうやら、台風の風の音のせいで、悪い夢をみられたようです。苗は無事でした。

 

 

スイートピーは、繊細でデリケートな植物である為、他の花と比較しても、栽培には、手間がかかると言われています。

武基さんに、「何が一番大変な作業ですか?」とお聞きすると、伸びた茎を、曲げないように真っ直ぐに折り下げる事だそうです。(スイートピーは、蔓性で、どんどん高いところまで伸びていってしまうので、人手で折り下げる必要があります。)

また、せっかくついた花も、曇りの日が続くと花が落ちてしまうことがあります。

 

神奈川県で、日本初の生産が始まったスイートピー

11月になると、寿子さんの背丈を越えるくらいに、スイートピーは成長していました。「太陽の子」と言われるくらい日光が好きなスイートピーの生産には、冬でも温かい、この湘南の土地が適しています。

 

 

大正時代には、日本初の商業用のスイートピーの生産が、茅ヶ崎市や平塚市で始まりました。

その後、日本全国にスイートピーの生産が広まった後も、首都圏にほど近い神奈川県は、出荷時の運送が便利なこともあり、スイートピーの生産が続きました。

現在でも神奈川県は、日本を代表するスイートピーの生産地です。

 

 

希少品種の「パピヨンピンク」

 

12月から出荷をスタートした、チャコ農園さんのスイートピーは、最盛期が2月から3月と、まだまだこれから楽しめます。

チャーミングなご夫婦が、地元湘南で育てたスイートピーを、ぜひ飾ってみてください。

 

チャコ農園 川口武基さん・寿子さん夫妻

チャコ農園さんでは、巷で密かな人気になっている、

スイートピーの芽の栽培も試みていらっしゃいます。

 

 

 

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